





The Bellwood
必見口コミ!
【 Speak Low. 】 「もともと帰ってくるつもりだったんです」と彼女は言った。世界でもトップレベルであろう上海、Speak Lowを仕切っていた彼女に会ったのは2020年のお正月休暇で、私が上海で過ごしていた時である。ひきもきらぬ客をさばき切りながらも余裕のある所作、お好みで作るカクテルの独創性と華やかさに、流石WORLD BEST BARになを連ねるだけのことはあると思った。渋川煮に合わせたシガーの香りだけのペアリングにブランデーと、その煮汁を合わせて持って来た即興のカクテルは、未だ忘れ得ぬ1杯である。当然、その後コロナが蔓延し、世界は一変してしまう。 「あの広い店舗で、とりあえず営業できるってなった時に開けたんですけど、私を含めて3人しかいなくて。それ、流石に無理ですよね」と笑う。日本に帰って来てこの、ベルウッドのカウンターを仕切っている。お店はこのコロナ下でオープンし、僅か1年でAsia Best Barで69位、World Best Barでは76位にランクインした。ヘッドバーテンダーの鈴木氏と彼女との、2枚看板だと思うが、そのほとんどを彼女が仕切っている。相変わらず、素晴らしい所作である。 1杯目はメニューにあるものを。2杯目からは、じゃあオリジナルでいきましょうと、彼女が作るお勧めそのままに。相変わらず、独創的だ。マティーニベースでドライベルモットと養命酒に、ごま油の香り、だとか。ちょうど、私の座るカウンターの端の席の隣はラボスペースとなっていて、”ベル寿司”と言われる、極めて創作的な寿司が振舞われていた。トリュフの香りが絡みついてくる。ごま油の香りが、食欲をそそってくる。 「だから、あんまりそっちの方に行きたくないんですよ、お腹すくから。特に今みたいな瞬間」いやまさに、その通りである。 大正時代のカフェを模したという店内は、SGクラブやSpeak Lowのような感じではなく、あかるい。特に隠し部屋などもなくシンプルである。割と客の入れ替わりも早い。カクテルがどんどん出て行く。 私の隣に3人組の男性が座った。どうやら一人はあまりバーに入ったことがない、という話をしている。一口飲んで、うわあ、すごいうまい。と言った。フレッシュなフルーツをふんだんに使ったカクテルは、最終電車がなくなったあたりにピッタリである。実は、メニューにあるカクテルは”コーヒーベース”か”お茶ベース”の2本立て、になっている。私が最初に飲んだのは”カフェルネソーヴィニヨン”という、コーヒーをつかって”ワインのように仕立てた”カクテルだ。(白くスモークが流し込まれるが、これは見た目のためだけではなく、揮発させたアルコールや香りづけをするものである。要素が多すぎて聞き取れなかった) このお店は、その日の気分でこの、素敵なバーテンダーに全てを委ねてオーダーをするのがいい。ちょうどこの後、ライターの友人から今度、若い人向けにバーの記事を書くのだけれど、SGやBellwoodは中級者、上級者向きっぽいですか?と聞かれたのだけれど、それは全く逆だと思う。SGグループが提供したいのは、もっと敷居が低い。本来会員制の部分だって、どうぞどうぞ、と見せてくれる。権威的な部分は一切ない、むしろ初心者こそが、バーにはあまり来ないんです。と、リラックスして楽しめるような仕掛けが、そこかしこにある。 3杯目は、旨味たっぷりで行きましょう!と、かつおと昆布とオリーブで。余計にお腹がすいたよ! 「またかならずきますね!」と2年ぶりの再会を喜んで。握手したその手は、とても細くて華奢な、美しい手だった。
渋谷駅徒歩8分
カフェ
東京都 渋谷区宇田川町41-31











































































































